DAY 372 From Jackson Heights, To Calle 76.

「マリア、久しぶり!エッソねえじゃん何処にも!」と一年半ぶりに会う相手への第一声はなんとも間抜けなものだった。しかしまあ、まさか本当に再会するとはね。それもコロンビアで。

2014年の夏に通っていたマンハッタンの語学学校。ニューヨークに数ある中で学費の安さではトップクラス、でも日本人の生徒はほとんどいなかった。担任だったミズ・ギャスパーの口癖「ハレルーヤ!」。

同じクラスだったコロンビア人のマリアとは最寄り駅が一緒だったこともありよく一緒のメトロで帰っていた。ミズ・ギャスパー風に言えば「トレイン・メイト」ってやつだ。話が途切れたら「いち、にい、さん、しー」「ウノ、ドス、トレス、クアトロ」とか言い合っていた記憶がある。

マーケティング専攻の大学生の彼女はインターンシップの真っ最中らしくランチタイムにオフィスの近くに来てと言われていた。しかい肝心の待ち合わせ場所であるエッソがない。通りすがりの男に聞いたら「近所に新しくでかいガソリンスタンドができたから潰れたよ」という無慈悲な回答。

待ち合わせ時間を過ぎても彼女は現れず近くの店に電話ボックスがあったので事前に教えてもらっていた番号にかけてみる。すぐに繋がった。「ガソリンスタンドで待ってるわよ」と言われ小走りで向かいやっと再会を果たした。軽い抗議も兼ねて冒頭の台詞を言うと彼女は「私も忘れてたわー」とあっさりな反応で拍子抜け、とりあえず近くの小さなレストランに入る。

「ブルックリンでクラスメートとビール飲んだの覚えてる?」「もちろん。ポーランド人のマイクが君をしつこく口説いてたのもばっちり覚えてるわ」「あいつ彼女いた癖にね。私も彼氏いたし無理無理」

懐かしい思い出話に花が咲く。でも当時は明らかに自分より話せていた彼女の英語は時々詰まることがあり、今は自分のほうが流暢なくらいであのニューヨークの夏からそれなりの時間が経ったことを実感してしまったり。

仕事の合間なのにたっぷり二時間は話し込んでしまった。流石にオフィスに戻らなきゃという彼女と最後にティントを飲んでお別れ。「次はどこで会うのかしら?またボゴタ?それともニューヨーク?まさか東京?」「うーん、また世界の何処かで!」

 

Perfume – Spring of Life


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です