DAY 341 The dinner with a stood-up.man.

夜明け前に寒くて起きてしまった。最近ハバナのほうは寒いよとサンティアゴで聞いたけどこれは予想以上。パーカーに袖を通して再び電気を消した。

朝、セントロまで行ってオムレツのサンドイッチを食べてから部屋に戻ると全然外に出る気が無くなった。寒いと言っても上着一枚あればなんとかなる寒さなのだが身体が南国の気候に慣れて緩みきっているせいだ。洗濯でもしようかと思ったが太陽が見えないので明日まで乾かない気がする、止めておくか。

昼過ぎ、いい加減重い腰を上げてゲバラのモニュメントへ。併設されているミュージアムにはちょっと信じられないくらい長い行列が出来ていたので諦めた。サンタ・クララの町に着いた時にも遠目から見えたでかいゲバラの像はかっこいいの一言、死後だいぶ経つのにも関わらずいまだに世界中でアイコン化されているだけある。それにしてもチェ二部作のデル・トロははまり役だったなあ。

セントロ付近をぶらりと歩いてからカサに戻る。玄関の前で煙草を吸っていると他の部屋に長期滞在しているカナダ在住のイラン人の男が隣にやって来た。「参ったよ、昨日行ったレストランのウェイトレスの女の子が4時にここに来るはずだったのにすっぽかされたみたいだ」時計を見るともう5時を回っていた。

彼ファルースはどう見ても60歳以上な爺さんなのだがキューバのいろんな町でガールフレンドを作っているらしい。女の子のために料理を作っていたのだが一人で食べるには多すぎるからとディナーに誘ってくれた。

キューバに来て一番野菜が多い食卓を囲みながら話に花が咲く。彼は若い頃にイランを出てしばらくスウェーデンで暮らし湾岸戦争の際に息子や家族を連れ出しに戻ったそうだ。それからヨーロッパ、アメリカ、カナダを転々として今に至るとのこと。

そんな彼は母国イランに対してあまりいい感情を持っておらず、政治や宗教に話が飛ぶと興奮した面持ちで熱弁する。自分はもっぱら聞き役に回っていたので目の前の皿が空になる頃に「すまんなあ、おればっかり喋っちゃって」と謝られた。

「や、面白かったし問題ないよ。それにこんなキューバの田舎町で日本人とイラン人がイランについて話すこの状況ってちょっと奇妙で最高じゃん」と言うと彼は身体を揺すって笑った。

 

くるり – ジュビリー


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です