DAY 335 The heaven of chocolate, the hell of spaghetti.

コレクティーボと呼ばれる乗り合いタクシーがカサの前に停まった時、正直「やっちまった」と感じた。一人頭20CUCも払っているのに通常の座席があるタクシーではなく屋根付きの荷台に対面形式で座るタイプだった。ソフトシートなのでケツは痛くならないのがまだ救いか。

せめてぶっ飛ばして早くバラコアに到着してくれという乗客一同の願いも虚しくコレクティーボは途中で故障した。道端で川の水とバナナを使って応急処置を済ませ再び走り出したが次の町で本格的な修理に入り待たされるはめに。一時間ほどして再出発したもののドライバーが「これじゃ山道は無理だわ」と判断して違う車に乗り換えとなった。外れ極まりない移動だった。

バラコアはカカオが有名らしく遅い昼食の後に「カサ・デ・チョコラーテ」というカフェテリアに入ってチョコアイスを注文してみる。ワンスクープが0.6ペソ、日本円で3円以下という破格の値段。しかも美味い、チョコの家という看板に恥じない美味さだ。これは一日最低二回は食べに来ようと心に誓う。

夜、ピッツェリア・レストランの前を通るとメニューにスパゲッティもあることがわかり自分の悪い虫が騒ぎ出す。日本を出てからエチオピアを除く数々の国でスパゲッティを注文しては裏切られてきた。しかし手頃な値段のスパゲッティがあるとついつい注文してしまうのだ。今回注文したのは6.7ペソ(30円)のソーセージのスパゲッティ。

一緒に注文したビールが出てくる前にスパゲッティが運ばれてきた。茹でたスパゲッティの上にトマトソース、そしてソーセージの切れ端。仕上げにどろりとしたチーズがぐるりと一周かけられている。うん、予想通りだ。生憎といろいろ経験してきたのでこんなもんでは怯まないよ。

ひとくち食べてちょっと唸る。見た目のまんまの味、そして想定内だが麺は明らかに茹で過ぎ。トマトとチーズの組み合わせなので決して不味くはないのだがこれをイタリア人に食わせたらイジメかテロの一種だと勘違いされるだろう。

さくっと完食して「ああ、今回も外れだったなあ」としみじみ空の皿を眺める。隣のテーブルに置かれた焼きたての美味そうなピザを自分も頼めばよかったのだ。でも不思議と後悔はない。6.7ペソという値段にちゃんと値するスパゲッティだったし、むしろびっくりするくらい美味いスパゲッティだったら嬉しい半面ちょっと残念な気持ちになった気がする。来月のコロンビアが楽しみだ、全然期待してないけど。

 

Frank Zappa – G-Spot Tornado


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