DAY 275 On the camel, On the desert.

宿の屋上からはサハラ砂漠が見渡せた。オレンジ色と言えばいいのか橙色と言えばいいのか。はるばる来たなあと煙草を咥えながらちょっとしんみり、ぼんやり。

昨夜は宿泊客が自分一人だけだったが今朝は砂漠で一泊して帰ってきた旅行者が二人いた。ラクダの乗り心地を聞くとちょっと苦笑い。自分が申し込んだのは往復一時間のツアーなのでそこまでしんどくはないだろう。

夕方、教えられていた時間通りに一人のおっさんが現れた。彼が今回砂漠に連れて行ってくれるようだ。宿の近くでラクダとご対面して早速乗ってみる。意外と視界が高え、それに結構揺れる。足に触れるラクダの毛はファッサファサというよりゴッワゴワとモッサモサの中間くらい。

砂の丘をいくつか越え、遠くから見ても目立っていたここらへんで一番大きな砂丘のふもとに到着した。ラクダを降りておっさんの後を付いて行く。言われたとおりサンダルを脱いだら多少歩きやすくはなったが踏み込む度にずぶずぶと沈んでいくことに変わりはない。

半分くらい登ったところでちょっと休憩。丘の頂上まで行きたかったら行ってもいいぞとおっさんはここでお役御免らしい。せっかくだからと頂上を目指していくも息は切れ切れで脛のあたりは早くも筋肉痛に襲われていた。ああ、挫けそう。

頂上に到着。ちょうどサンセットの時間帯だったが街のほうに沈んでいったので風景としてはそこまでな感じ。むしろ帰りにブレーキを掛けずに駆けていくほうが楽しかった。

日が沈むと暗くなるのは早かった。耳がタコになるくらい「ラクダはラクジャナーイ」とおっさんに囁かれながら宿に戻るともう真っ暗。晩飯を食べてから屋上に行くとなかなかの星空。もし三脚持ってきてたら撮影したかな?ん、セッティングが面倒だから十中八九しないか。

 

Jimi Hendrix – Castles Made Of Sand


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