DAY 177 The typhoon on the desk.

噂には聞いてはいたが、荷物検査の部屋で実際自分がその場面に出くわすと呆気にとられた。ここまでやるか、いやお仕事なのはわかりますけど、でもさあ、これもっかいしまうの時間かかるんですよと。

「タブレットは持ってないのか?」持ってたらちゃんと申告書に書きますって、カメラとラップトップとスマートフォンだけですだからそんな執拗に漁らないで下さい。「ポルノ持ってねーだろうな?(スマホの写真を確認しながら)」持ってません、てか仮に持ってたらわからんように頭使って隠しますよ。

全部の荷物を念入りにチェックする割にラップトップは起動すらされずになんかちぐはぐ。最後に別室で簡単にボディチェックを受けたら軽いノリでオッケーが出た。大きめの机の上には衣類やら雑貨やらがぐちゃぐちゃに散乱している。自衛隊の教育隊で整理整頓がなってない時に上官が部屋を荒らす台風って多分こんな感じなんだろうなあ、こりゃ大変だわ。

うんざりしながらウズベキスタンに入った。時刻は昼過ぎ、見渡すかぎり砂漠、暑くない訳がない。最初に寄ってきたおっさんにサマルカンドまでの乗り合いタクシーの値段を交渉して車に乗り込んだ。

途中のデナウという町で一度停まり、車を変えろと言われ見た目やんちゃそうな兄ちゃんがハンドルを握る車に乗り込み再出発。後部座席は男三人でぎゅうぎゅう詰め、エアコンなんてもちろんないし後ろの窓も開かなかったがじきに慣れた。

ガソリンスタンドに入ったと思ったら入口で乗客が全員降ろされた。看板にはMETANの文字、そうかここはガソリンスタンドではなくメタンガススタンドなのか。どうやら決まりで乗客たちは中に入ることが出来ず入口の待合所にいなければならないらしい。ガスを入れてるところを見たかったので近づいたらちょっと怒られてしまった。

給ガスを終えて車はサマルカンドを目指してひたすらにぶっ飛ばしていく。タジキスタンとは違ってアップダウンも少ないし道路の舗装状態も悪くはないので速度計の針は基本的に100kmオーバーだ。

サマルカンドに着いて渋滞に巻き込まれたせいでレギスタン広場に着く頃にはすっかり暗くなっていた。宿を目指してへろへろと歩く。本当に疲れた、それに腰もちょっと痛い。こりゃ明日は何も出来ないな、する気もさらさらないけど。

 

The Field – Sweet Slow Baby

 


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