DAY 169 Thinking about over there.

昨夜からビビ・ファティマという温泉がある山の上の小さな村にいる。小さなホテルが数軒あるだけで売店の類もないようなところだ。温泉以外には特に見どころがあるわけでもないが一息付きたかったのでもう一泊することにした。

温泉に入ったら何もすることがない。昨日ふもとから上がってくる時に見かけた城跡でも見にいくかとのんびり山を下ってみる。アンテナの設置工事をしているおっさん三人組や岩をハンマーで砕いているおっさん三人組と雑談しながら城壁を眺め、さらに山を下ってアフガニスタン国境の川が一望できる場所に出た。

ちょうどいい大きさの岩が転がっているのを見つけたので座ってひたすら煙草をふかす。時折温泉に向かう、あるいは帰る車がクラクションで合図をしてくれる以外は本当に静かで風の音しか聞こえなかった。

アフガニスタンといえば思い出すのは14年前の9月11日だ。たしかあの時はヤンゴンのホテルにいて、リビングのテレビで映るニュースがひたすらビルに突っ込む飛行機の映像を連日流していた。その当時英語が全く駄目だった自分はテロップに映る「Afghanistan」「Attack」という言葉からアメリカがアフガニスタンに空爆したとしばらく勘違いしていたなあ、恥ずかしい。

そういえばあの時同じホテルには沖縄だか奄美だか出身のおっちゃんが長く滞在していた。三味線をこっちで作って輸出したいんだが人口の皮は駄目だ、蛇の皮にするか猫の皮にするか迷っているんだというような話をされた記憶がある。あの人は今もミャンマーにいるのだろうか、それとも日本に帰ったのだろうか。あまりにも昔のことで、でもあの停電して真っ暗な部屋でろうそくの明かりに照らされたおっちゃんの顔は未だに覚えている。

 

Death Cab for Cutie – Lightness


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