DAY 126 Black and White, and Color

ロバート・キャパ、写真に興味が無い人にもよく知られている世界的な報道写真家。そしてロバート・キャパという名前から連想される写真は作品は違えどほぼ間違いなく白黒写真のはずだ。

数日前に立ち止まってじろじろと見つめていたとある写真展のポスターには大きくカラー写真がレイアウトされていてこんな文章が添えてあった。「CAPA IN COLOR」、と。

展示が行われていたのはRobert Capa Contemporary Photography Centerで、おそらくキャパがここブダペストで生まれたという縁で設立されたのだろう。自分の故郷である山形県酒田市では土門拳が生まれたので土門拳記念館があるのと同じようなものだ。

カラーフィルムで撮影された彼の作品は良くも悪くもキャパっぽくなかった。いや、キャパの作品っぽいなあと感じさせる部分は所々あるのだが頭の中にある有名な白黒の写真と目の前のカラー写真を撮ったのが同じ人間だとすぐに結びつかなかった。

作品と一緒に「カラーの写真と同じような構図で撮影されたモノクロの写真を出版社は採用した」というキャプションがあり、当時の出版社にとってキャパはあくまで「モノクロのキャパ」だったことが伺える。「キャパはんのカラーが素晴らしいもんやとよーくわかっております。せやけど世間の皆様が見たいのはキャパはんのモノクロなんどす。堪忍してつかあさい」みたいなやり取りがあったんだろうなあ。

今回の展示の作品の中では大戦中にチュニジアの砂漠で撮影されたラクダ部隊がカメラに向かって駆けてくる写真がとても印象に残った。その写真のポストカードや小さいポスターなんかが売ってたら絶対購入していたのに売ってなくて残念。よい写真展、よい刺激になった一日。

 

Art of Noise – Dreaming in Colour


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