DAY 125 Deep in talk.

煮え切らない、はっきりしない空模様だった。雨が止んだ隙に少し離れた旅行代理店に野暮用を済ませに出かける。途中にあったマクドナルドにマックシェイクが150フォリントというポスターがでかでかと貼られているのを観た瞬間身体が店内に吸い込まれていた。マックシェイクのチョコレートは日本で飲むのと全く変わらずちゃんとマックシェイクの味がした。

廃墟バーで一杯飲んでホステルに戻り夕食にパスタを作って食べていると宿泊客の一人が帰ってきた。外は雨が本降りになっているらしい。今夜は外に出るには向かないみたいだ。

長期でホステルに滞在していて日本からしばらく離れているという男性と日本の選挙システムや社会構造の問題点などについて話し込んでいたらいつの間にかお互いの手にワインのグラスが握られていて、自分のベッドに戻った時に外した腕時計には03:30と表示されていた。

日本をしばらく離れて旅行をしていると「日本はいい国だ。飯も美味いし治安もいいし」という考えになりがちだ。実際日本人旅行者同士で日本の話をしていると概ねポジティブな話になることが多い(帰ったらすぐにラーメン食うとか結局食い気に走るんだけど)。

しかし今の日本はそんないい話ばかり転がっている楽園みたいな国ではない。男性との会話は目を逸らしていた、あるいは逸らされていたネガティブな問題を抱えている当事者の一人だということを思い出させるには十分だった。先送りしまくったツケを払う時はもう間近に迫っているのだ、と。

ああ、旅行が終わったら東京なり大阪なり日本のどこかで生活していくのだろうと漠然と考えていたけれどそんなんじゃ駄目だ。もうナウでヤングな歳でもないんだし。んー、スカーレット・ヨハンソンみたいな石油王の一人娘(もちろん自分に強烈な一目惚れしてくれるという初期設定の)が空から降ってこねえもんかなあ。ねえ親方?

 

The Samuel Jackson Five – Radio Gagarin


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