DAY 124 Midnight Cruesing

午前1時半、玄関の扉についていた覗き窓から外を覗いてから街に繰り出した。こんな夜更けにカメラを肩からぶら下げて歩くことができるのだ、ブダペストでは。もちろん100%安全だと言い切ることは出来ないのだが。

歩いていると白人の女の子のグループからInstantというクラブの場所を聞かれたので教えてあげた。ブダペスト初日の夜に行った時は時間が早すぎてまだガラガラだったInstantは深夜にかけてものすごく賑わうらしい。が、今夜はそういう気分になれなかった。

人通りはまばらだが途切れることはなく、ほとんどの人間が程度の差こそあれ酔っているように見えた。適当にふらついているといつの間にかInstantの前まで来ていたが建物から漏れ聞こえてくる音はあまり好みではなかったので今日は中に入らないでおこう。立ち止まって煙草を吸っていると中から出てきた若い男がションベンするけどごめんねと行ってすぐ隣で勢い良く放尿し始めた。

一時間近く歩き続けたので喉が渇いていた。ビールでも一杯飲んで帰ろうと思いついさっき前を通ったバーに行くともう閉店だと断られた。さすがに2時を過ぎると閉店してしまう店が多かったが何故か意地になってしまい一杯飲むまでは帰りたくなかった。

光や音の匂いを探して嗅ぎ分けてやっとまだ開いている店を発見。カウンターの中におねえちゃんが一人いるだけで客は誰もいなかった。「一杯だけ飲んでいい」と聞くと「もう少しで閉めちゃうよ」と消極的な肯定をもらったのでビールを頼んだ。

小さめのジョッキ一杯で180フォリントだったので500フォリント札を渡したらごめんという言葉とともに大量の10と20フォリント硬貨で釣りが返ってきた。喉を潤してホステルに戻る間ずっとポケットの中で硬貨たちがじゃらじゃらと暴れていた。

 

フィッシュマンズ – ナイトクルージング


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