DAY 119 The Battle of Macchiato

アディスアベバ、再び再び。ホテルの従業員たちは皆顔見知りになり、一度サラーム・ノという挨拶への返しでゴンダールで覚えた「イグザベル・インマスグル」を言ったらすごくウケてそれ以来定番のやり取りになった。

雨が上がったのを見計らって外に出た。チャーチル・アベニューを下ろうかという時に一人の青年が話しかけてくる。彼の英語は大学で勉強しているというだけあってかなり流暢だったが、アディスのピアッサ近くで英語を話しながら寄ってくる奴がただの世間話で終わるわけがない。

「トモカ・コーヒーっていい店あるんだけど…」「もう行った」「今日はラスタの祝日なんだ、パーティーあるんだけど来ない?」「今日はこれから予定があるから無理」「友達の家が近くにあるんだけどコーヒー・セレモニーどう?」「だから今日は予定があるから無理だっつーの」「すぐ近くだから!すぐそこ!」

こういうやり取りは繰り返し過ぎてもう飽きてしまった、もうお腹いっぱい。タイミング良く電話が掛かってきたので話しながら歩いていると青年はどこかに消えていた。

郵便局の近くの土産物屋を何軒か見て回ったがあまりグッとくる商品は見つからなかった。帰りは上り坂のチャーチル・アベニューにひーこらしている最中に青年との会話を思い出してホテルに戻る前にトモカ・コーヒーに寄ることにする。

カウンターでマキアートを注文して奥のほうで待っているとと後ろから肩を叩かれた。振り返るとなんということでしょう、先程の青年が立っているではありませんか。

案の定彼はコーヒー一杯奢ってよとたかってきた。まあなんとなくあっぱれ的気分だったので一杯奢ることにしたのだが、カウンターで青年が指差したのはカフェラテだった。おいおい、おれが頼んだマキアートより高いじゃんかアホか。なんかちょっとイラッとしたので青年の注文は強制的に自分と同じマキアートに変更。ぶつぶつ言ってたけど知らん。

自分が店を出ると青年はまた付いて来た。ビール飲みたいだとか大学の教材を買う金をくれとか後ろで色々と言ってたが「バッカバッカ」とひらひらと手を振り後は無視して歩く。さあ、そろそろミニバスに乗ってボレに向かわなきゃ。エチオピア最後の夜、つまむのはインジェラではなく麻雀牌。

 

Daedelus- Samba Legrand


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