DAY 118 A little bit regret.

アディスアベバに向かうバスが出発してすぐに自分の座席にある右の手摺にスタッフがビニール袋を引っ掛けた。いわゆるゲロ袋だ。ローカルバスならともかく今乗っているのは私営のちょっと豪華なバス、ハラールに来るときは一番前の座席に座っていたが周囲の客がゲロった気配はなかったので帰りも大丈夫だろうと呑気に考えていた。

座席番号は31、バスのやや後方に座っていたがハラールを発つとすぐに眠りに落ちた。その眠りが破られたのは右腕に何かを感じたからだ。目を開けると手摺に引っ掛かっていたはずのゲロ袋はそこになく、自分のすぐ後ろで誰かがゲロゲロしている音が聞こえた。あらら。

その後も自分の周囲で人々はゲロッパしまくり近くに座っていた男はバスが大きく揺れるとすぐにゲローアゲイン、彼の周囲のゲロ袋が全て無くなったのでかなり前の座席からゲロ袋リレーされてきた時もあった。幸い自分の隣の席のおばあちゃんは時々しんどそうに見えたがノーゲローでフィッシュしてくれたので助かったけど。

 

起きている時はずっとおばあちゃんごしに窓の外の景色を眺めていた。見渡す限りの大草原だとか実り多い豊かな畑が一面に広がっているなんてことはほとんどなかった。木々がまばらにまばらに生えた砂埃が舞うだだっ広い大地にぽつりぽつりと簡易な小屋のような家が建っていて、ぽつりぽつりと人々がロバや山羊を追いながら歩いていた。

もう明後日の飛行機のチケットを買っているのにこの国を発つのがとても名残惜しく、後悔すらしていた。ダナキルツアーに参加しなかったことや南部の少数民族巡りをしなかったことにではない。この風景をただバスで通過するだけでなく自分の足でにぶらぶらと歩いてみたくなってしまった。また来るかー、来れたらいいなあ。

 

New Order – Regret


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