DAY 052 The dog always sleeps in front of my room.

肩はまだひりひりと痛むが少しずつましになっている。昨日の夕食で食べきれなかったファラフェルを朝食代わりに食べて午前中はゲストハウスから一歩も外に出ずにぐだぐだ。

昼過ぎになってぼちぼち動こうかなとドアを開けると目の前に全身を弛緩させてぐったりと寝ている宿の犬がいた。昨日も同じ場所で寝ていたのでどうやら自分の部屋の前は彼の避暑スポットになっているらしい。ドアを開けた音で目を覚ましたがこちらを一瞥してまた夢の世界に戻っていった。

昼食を済ませてバイクでも借りて少し遠出しようかと思ったが当然暑い。まだ日焼けの後遺症が治ってないしと自分に言い訳して代わりに近所を散歩することにした。

一本道をずっと道なりに。集落や畑を囲むようにそびえ立つ岩の山をとぼとぼと歩いているとまるで違う惑星に迷いこんだみたいだ。遠くに地元の人らしき人影が見えるが彼がマスター・ヨーダみたいな風貌でも驚かない気がする。

人影に近づくと残念ながら彼は尖った耳もライトセーバーも持っておらず、咥えていた煙草を指さして「シガレット?」と煙草をせびってきた。基本煙草をくれと言われたらあげることにしているので一本取り出して日を付けてやる。そしてついでに一枚。

しばらく歩くと一本道は行き止まりになったので折り返す。肌はじりじりと焼けて喉はすぐに渇いた。このやる気のない巨人が岩を雑に積み上げたような風景があれば他に何もいらない気がする。いや、違う。よく冷えたビールだけは必要だ。

 

Red Hot Chili Peppers – Scar Tissue


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