DAY 051 Across the River

ハンピでよく交わされる言葉のひとつに「川向こう」がある。なんでも川向こうのレストランではビールが飲めるし、バイクもレンタルできるらしい。そして一番魅力的なのが町にいるより涼しいらしいということ。

来た当初から滞在期間の半分は川向こうで過ごそうと思っていたので今朝起きてすぐに荷物をまとめた。サイくんの「行ったらあかん!涼しくないよ!」という言葉に後ろ髪を引かれまくりだったが「また戻ってきて一泊するよ」と言って船着場に向かった。

ちょうど対岸から来たボートに乗り込んだもののなかなか発進しない。どうやらエンジンが少し故障しているらしく、一人の男が一寸法師のお椀みたいな舟で部品を取りに行ってあっという間に修理完了。修理している間に隣の白人の女性が歓声を上げたので視線の先を追うとさっきまで大きな黒い岩に見えていた物体が立ち上がっていてそれは大きな黒い象だった。

川向こうに着いておととい一緒に遊んだ日本人旅行者に聞いたゲストハウスを探す。船着場からついて来た若い男はこちらはもうゲストハウスを決めていると伝えても離れていかず、こちらが宿の名前を言うと「サムライ・スズキがいるぞ!」と言った。

サムライのスズキさんの噂は町にいる時に何度も聞いていて、頭を剃って月代を作っているギター弾きらしい。ゲストハウスにチェックインした後に実際にお目にかかって一局将棋で対戦したがこてんぱんにやられてしまった。

一局終えて隣のルーフトップ・レストランで遅い朝食と昼食を一緒に。店員が薦めたマルゲリータ・ピザで満腹になり一服しているとスピーカーからAdeleのChasing Pavementsがちょうどいい音量で流れてきた。Adeleの歌声は目の前に広がる風景と一見ミスマッチなようでうまくはまっていて、これから始まる気怠い午後はそう悪くないものだよとそっと頬を撫でてくれた。

 

Adele – Chasing Pavements


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