外のテラスのテーブルで朝食を取っていたら白人の女の子が相席してきた。わざわざ外に来るくらいだから彼女も喫煙者で、お互いにコーヒー片手に煙草の煙を吐きながら「やっぱり煙草にはコーヒーでんな」的会話を楽しみ吸殻の山を作っていく。フランス人のクラリスはシアトルの大学に通う学生でアートを専攻しているらしい。
昼前に昨日閉館間際に少しだけ覗いたギャラリーへ。お目当ては展示作品ではなく先月にここパナジで開催されたGOAPHOTO 2015のカタログだ。改めてページを捲っていくと有元伸也氏の作品が掲載されていて、以前に買ったariphoto selection vol.1で好きだったポートレイトも載っていたので思わず購入。他の写真家の作品も面白かったし800ルピー以上の価値があると思う。
カタログと一緒に買った実家や親戚に送る用のポストカードに何か書かねばと一度宿に戻り、例のごとくテラスで一服しているとアメリカ人のニエルがやって来た。彼も写真を撮るのでさっき買ったカタログを見せていると宿のスタッフのジェイソンとその彼女も参上し、気づけばベジタリアンについてとかインドでは病気の鶏もそのまま肉になるとかファンダメンタリズムだとか話はどんどん展開していって自分の英語力ではおおまかに聞きとるだけで精一杯。恋に落ちる瞬間や愛の話になったところでギブアップ、二階のソファに退避した。
少しして再び外出。郵便局でポストカードを投函し、旅行代理店を何軒かはしごしてハンピ行きのバスチケットを探した。パナジからだとあまり本数が出ていなかったがスリーパーバスのチケットを無事購入して宿に帰った。
時刻はもう夕方、今日は晩飯を食いに外に出るくらいで終わりかなと考えながらまたまたテラスで煙草を吸っていた。すると市内観光帰りのクラリスが紅茶片手に向かいの椅子に座って朝の構図アゲイン。「夜暇ならインド映画観に行こうやー」と誘われもちろん快諾した。女の子と映画デートですぜ旦那!
Detective Byomkesh Bakshy!という映画を観たのだが、字幕なしだったので自分もクラリスも基本なんのこっちゃ状態。幸いミステリーというか探偵物だったので何となくこいつが悪い奴だけど一番怪しいのはあいつという風に推測(妄想に近いかも)で楽しんだ。いわゆる踊るマハラジャ的インド映画とは違い本格的に作りこまれていて、カメラワークや音楽などは素直に感心した。正直そこらへんの邦画では太刀打ちできんレベル。
映画を見終わって煙草を吸いながら二人で夜の街を歩く。22時を過ぎた街には人も犬も牛もほとんどおらず、ここがインドだとは信じられなかった。しばらく歩いてパナジのシンボルでもある白い教会の近くに来たら突然の人だかり。教会も電飾でライトアップされていて、近くにいた人に聞いたら今映画の撮影をしているらしい。
クラリスのゲストハウスの近くに差し掛かった時に一匹の犬が尻尾を振りながら近づいてきた。出発してからあんまり犬にいい思い出がなかったので警戒しているとクラリスが犬の後ろを指差し、そこにはあるべきものがひとつ足りない。
左の後ろ足が切断された三本足の犬はクラリスを送り届けた後もしばらく自分の後を着いてきて、食べ物を何も持っていなかったので何度か頭を撫でた。しばらく歩くと彼のテリトリーから出てしまったらしく、振り返っても誰もいない。そういえば普段は出歩かない時間帯なのにこれっぽっちも危険だなんて思わなかった。
Lymbyc Systym – Eyes Forward
ポートフォリオに Anjuna, Goa を追加しました。
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