DAY 033 Cheerful Workers

昨日の昼下がり、もはや日課となった感すらあるLotusでロビンとのまったりネットタイムの最中に一人の白人男性から声を掛けられた。ドイツ人のアーツは自分のMacBookのACアダブタをコルカタのホテルに忘れてきてしまい充電できなくて困っているから貸してくれないか?ということだった。その時は本体だけでACアダプタを持っていなかったので後でACアダプタを彼に届け、ついでに夕食を一緒に取ることに。

夕方Lotusの前に行くとアーツの奥さん(名前を忘れてしまった。カナダ出身でドイツ在住らしい)も一緒に待っていて、Lotusでレモンスカッシュをご馳走になったあと近くのレストランに入った。いくつかのカレーとライスやチャパティを注文していろんな話を聞いた。

彼ら夫妻は1980年代にインドを旅行したことがあり当時はT/Cからインドルピーに両替するのが一日仕事だったこと。彼らの息子は今アメリカの大学に通っていてディベートクラブの活動の一環で国連本部の有名な会議場でスピーチしたことをとても誇らしく思っていること。息子はメールをしても全然返してこなくて娘は短文でも返信するだけましだということ。今は息子も娘も大学に行くために親元を離れているためやっとのんびり旅行できるようになったということ。

日本にも数ヶ月仕事の関係で滞在したことのある彼らとの会話は途切れることがなくとてもとても楽しい時間になり、ACアダプタを貸してくれたお礼に食事も奢るよという申し出を固辞してその代わりと言ってはなんだが別れ際に一枚撮らせてもらった。彼らのように歳を重ねてからラフな感じでいろんな国を一緒に訪れることが出来る相手を見つけたいと心底思う。

 

一夜明けて今朝、昨日の早朝ビーチで撮影した少女の写真を見ていてプリーはもういいかなという気分になった。昨夜アーツ夫妻が今日プリーを発ってあまり旅行者のいない小さな町に行くと話していたことにも触発されたのだろう、自分もそろそろ移動したくなってきた。

ヨガのクラスを終えてCleartripでハイデラバード行きの列車の空席を確認するとキャンセル待ちを意味するWLという文字しか見当たらない。外国人枠があるかもしれないので直接駅の窓口に行くことにした。

GoogleMapを頼りにいくつかの路地を抜けて迷わず駅に到着。窓口で尋ねるとやはり直近の数日間に空席はなく、比較的キャンセル待ちの人数が少ない木曜日のチケットを購入してあとは窓口のおっさんのMaybeという言葉を信じることになった。

帰りは行きと違う道を通って帰ろうとしたのだが、すぐに大掛かりな道路工事に出くわした。今更戻るのも邪魔臭いしなあと立ち止まって考えていると自転車を押したおじいちゃんが向こうから歩いてきたので立入禁止の看板をすり抜けてみることにする。

工事現場で働く男たちは自分が肩からぶら下げてるカメラを見つけるとワンフォト!とせがんできた。もうすぐ仕事が終わる夕方だったからかもしれないが彼らは皆陽気で、そこには女性もたくさんいたが皆で写真を撮られている仲間を冷やかして笑っていた。近くにいて目があった女性に身振りで「撮ってもいい?」と聞いたら微笑みながら頷いてくれた。

インドに入ってから女性の写真を撮ることが極端に難しくなっていた。男どもは陽気に絡んでくるが、年配の女性なんか目も合わせてくれないしハローと声を掛けてくれる女の子だってカメラに手を掛けた瞬間に顔を隠して逃げてしまう。だから昨日ビーチで女の子を撮ることが出来た時には写真の出来なんて関係なく嬉しかったのだ。

ゆっくりと歩きながら工事現場を抜け大通りに出た。この国に来て初めてあんなに男性と女性が和気藹々としているのを見た気がする。それぞれの国や宗教にはいろんな背景があることは承知しているが、野郎も女も楽しそうなほうが見ていて気分が良かった。

 

Gui Boratto – Azzurra


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