DAY 016 Suburbia

明日には友人が帰国するので昼飯は少し豪勢に行こうという話になった。がっつり肉が食べたい、でもステーキとか焼き肉よりはタイっぽいものをということでタイスキをチョイス。調べてみるとチェーン店のMKレストランが近くのショッピングセンターに入っていたので歩いて向かう。

バイク屋が並ぶ通りや建設中の高速道路の高架、婆さんが一人でぽつんと池の前に座っているおそらく釣り堀的な場所を横目に目的地のTesco Lotusに到着。中に入った瞬間ここはイオンなのだとわかった。

ケンタッキーやカフェ、ベーカリーなどが並ぶ1Fの飲食店フロアにMKレストランはあった。案内されたボックス席は日本のファミレスの作りとまったく同じ。注文を待つ間店内を見渡すと他の客達はみんな小綺麗な格好をしていて、子どもたちはスマートフォンや携帯ゲーム機に夢中だった。そこらへんの食堂で食べたら1食30バーツ、ここは一人その10倍は払わなければならない。富裕層向けではないがいわゆる中流の人々のための場所なのだ。

タイスキはちゃんと値段に見合った味がして、ゆっくり快適に食事を終える。会計を済ませて一服するため外に出ると目の前の空を遮るように高層マンションが二棟立っていた。店内に戻り友人が土産を買うというので2Fの食品売場に向かう。

エスカレーターを降りた先は去年の夏に一度だけ訪れたクイーンズのTARGETみたいで、食品だけでなく洋服から家電から日常生活に必要なもののほとんどすべてが広大なスペースに余裕を持って陳列されている。値札のバーツとタイ語、それとBGMで流れているタイのポップスが無ければここは世界中の都市の郊外に存在する普遍的なショッピングセンターだ。自分は今どこの国にいるのかわからなくなり少しだけ目眩がした。

普遍性は人々を安心させ、人々は綺麗にワックスが掛けられた床をすたすたと進んでいく。一度でもイオンに行ったことがある人ならば大体の雰囲気で目的の商品を探し出し快適に買い物をすることが出来るだろう。ぐるっと店内を散策し買い物を終えた友人と売場の外に出てソフトクリームを買った。

小さな出店ブースの前で日本のとぐろを巻いた形じゃない雪だるま風なソフトクリームを食べつつ店名のDairy Queenを検索するとアメリカの企業だった。なるほどこれが資本主義でアメリカでグローバリゼーションで…などと小難しいことを考えようとしたけれどソフトクリームがあまりにも美味しかったのですぐに忘れた。

 

The American Dollar – Oil and Water


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