DAY 003 Enjoy! Enjoy!

初日の予防接種が終わって一緒だったユート君と祝杯を上げていた時、もし暇なら土曜日適当にぶらつこうと話していた。そして実際何の予定もなかったので連絡してみたらバンコクに住んでいる彼の友人と一緒に色々回らないかというとても嬉しいお誘いがあり、昼過ぎにカオサンに向かった。

彼の友人オーツはユート君と同い年で、メルボルンの大学時代の友人らしい。すでに合流していた二人と駆けつけ一杯的にシンハーを飲み干し街へ繰り出す。さすが地元だけあってオーツはタクシーのドライバーやそこらへんのおっちゃんとタイ語で話しながらずいずいと案内してくれた。ただし京都に住んでいる人の多くが寺社仏閣にあまり行かないのと同じように、時折道を間違えたり行ったことないから実はよーわからんと言っていたのはご愛嬌。

Golden Mountain, Wat Suthat, Wat Phoと有名どころを回りつつ合間に屋台や地元で人気の店に寄ってうまいもんを食い、時間が遅すぎてもう閉まったナイトマーケットを後にした頃にはすっかり日は暮れて夜に。バスで旧正月でごった返すチャイナタウンに向かいダックや杏仁豆腐っぽいデザートを食べたらすっかり満腹。タイのラム酒が美味いからちょっと飲みに行こうと新市街へ向かう。

初めてバンコクを訪れた14年前と変わらずパッポン通りはスーパーコピーの時計やらバッグやらで溢れていた。店番や客引きの雰囲気ががらっと変わって良くも悪くも観光地的なノリに。歓楽街を歩いていると自分やユート君が日本人だと一瞬で見抜かれ流暢な日本語でひっきりなしに呼びかけられ、とあるピンキーな店の前で「SM!ちょっとだけ、見るだけタダよ!」と言われた時はあっぱれ降参ですといった感じ。

お酒の値段もアホみたいに高かった新市街からタクシーで北へ、Coco Walkというローカルな飲み屋街で降りた。オーツお薦めのSang Somというラム酒で乾杯してだらだらと飲みだらだらと話し続け、灰皿には吸い殻がゆっくりと増えていく。彼ら二人は付き合いが長くいわゆる気の置けない友人同士で、大学時代のエピソードを思い出し笑いと共に披露してくれた。くだらない話の合間にちょっと真面目なビジネスの話も挟んだり、話題は店が閉まるまで途切れることがなかった。

帰りのタクシーから先に降りて彼らと別れ、こんな楽しい夜はこの先の見知らぬ土地でもう無いんじゃないかと少しセンチメンタルになりつつ宿のドアを開ける。午前2時、踏切に望遠鏡を担いで行かない限り普通の人は寝てる時間なのにロビーで起きていた男が一人出迎えてくれた。同じドミトリーに泊まっているロシア人プログラマーのアレックス、いつも朝方まで仕事をしているから相変わらず睡眠不足で不機嫌そうである。まだそんなに眠くなかったので雑談していたらもう一人隣のベッドの中国人レオンまで降りてきちゃった。

結局3時ぐらいまでロシア女性は若い時は妖精みたいに綺麗なのに何故子どもを産んだら劇的ビフォー・アフターしちゃうのかとか中国のウルムチ、チベット情勢について話すことに。真っ暗な部屋に戻り汗まみれのままベッドに倒れこむと頭の中で誰かがスイッチがパチンと切った気がした。

 

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