雪とField

心斎橋のCONPASSへ。目当てはThe Field。大体好きなアーティストばかり所属しているドイツのKOMPAKTレーベルから、そしてその中でさらに大好きな人だ。あまり調子が良くない腰と背中を抱えていても、ずいぶん前に予約していたこのライブは最悪コルセットを巻いてでも行ってやるというくらいの意気込みで行ってきた。

トリのThe Fieldが始まる直前にフロアに入る。転換の時間になると人の密度はかなり薄く中央の最前列がぽっかり空いていたのでするするっと陣取ってしばし待ち、VJの演出などなく照明も最小限なままさりげないくらい自然に演奏が始まった。

じわじわと、でも決して軽くない音が自分の肉と骨と内臓に響き、脳が完全に侵されたころにぶんぶんと頭を振り身体を揺らす。エンドレスに流れ続ける音という音が全方向から洪水のように襲いかかってきて、でもそれを甘んじて受け止める快感。至福の90分は終わってみればあっという間で、でも明らかにパッキパキに張っている腰と背中がだいぶ長い間激しく踊っていたと健気に不憫に主張していた。

ライブの間に周りを見渡すと、地蔵のように棒立ちの人がいたりずっとスマートフォンのカメラを起動している人がいたりノリノリで踊っているひともいたり。楽しみ方は人それぞれだけれど、どうせなら理性も恥も捨て去って踊り狂ってしまえばいいのにといつも思う。最前列中央という場所だったので自分一人だけ異様に踊ってるのは別に構わないけどちょっと寂しいなと思っていたら、隣の女の子が自分以上に激しく踊っていてくれて今夜はとても心強かった。ちょっと向井秀徳風に言うならば踊ってるガールは無敵で素敵。

個人的にThe Fieldを聴く一番好きなシチュエーションは冬に帰省した時繁華街あたりで飲んだ後、雪が降る中で聴きながら歩いている時だ。目の前の白の風景とイヤホンから流れてくるThe Fieldが合わさった破壊力ったらもう、言葉にならない。

さっき日付が変わって阪急電車を降り駅の階段を上がったら雪になりきれないみぞれが出迎えてくれた。惜しい。もうちょい頑張れ雪。