午前一時半、真っ暗なリビングのソファに寝そべっているとカップルが外から帰ってきた。軽く挨拶して自分はネットの海を非生産的な感じで泳いでいたのだが少ししてから彼らが寄ってきて「ディスコ行かないか?」と誘ってきた。
「もしかしてちょっと遠くにあるやつ?」と聞いたら答えはイエス。あれじゃん、かわいこちゃんが多く集まるという丘の上のとこじゃん。そんなの行かない理由がない、「Why not?」って今まで生きてきた中で一番自然に使っちゃったよ。
イギリス人のショーンとカルメンとタクシーを捕まえて丘の上を目指す。ディスコのエントランスで言われた入場料が高すぎて面食らったがここまで来て入らないという選択肢は無かった。フロアで流れている音楽は正直我々三人の好みではなかったのが残念だったが元々期待はしてなかったからノー・プロブレム。
しかしあの高い入場料を払っているだけあって客は皆小綺麗な感じで当然かわいこちゃんも多い。ドリンクメニューも軒並み相場の倍以上でここに来ることは一種のステータスなのかもしれない。あ、金髪の女の子と目が合った。
3分後、自分とその子の身体は零距離と言っていいほど密着して揺れていた。まさにジャン=ピエール・ポルナレフ状態だ。どう見ても酔っ払っている彼女は時折スペイン語で何やら囁いたり叫ぶが何言ってるがわかるわけないのでとりあえずぎゅっとしとく。柔らけえなあ、おい。ショーンがこっち見てめっちゃ笑ってる。
至福の時間をじっくり堪能してからカップルのところに戻った。「一瞬目を離したら女の子といちゃついてるからびっくりしたよ!」と言われたが大丈夫、本人が一番驚いてますよ。
わりと英語が話せる客も多かったのでなんだかんだで閉店の5時ちょっと前まで楽しめた。宿に戻ってコンタクトだけ外してベッドに潜り込む。朝食の時間までに起きれるかな、まあ寝過ごしてもいいか。
目が覚めるとぎりぎり朝食の時間だった。目をこすりながらテーブルに座ってコーヒーが運ばれてくるのを待つ。ショーンとカルメンはまだ寝ているようだ。手持ち無沙汰なのでFacebookを開いてみる。
するとタイムラインの一番上に大学時代の同級生の女の子の「結婚しました」という写真が投稿されていた。彼女は少し前に長く世界中を旅行していて、旦那はその時に出会ったという他国籍の人だという。
片やディスコで鼻の下と伸ばしながらいちゃいちゃしただけで満足していて、片や出会った相手とめでたく結婚。うーん、同じ旅行者なのにギャップがありすぎてオラちょっと目眩がしてきたぞ。何はともあれおめでとうございます、末永くお幸せに。
Beach House – The Hours
コメントを残す