DAY 024 Why they don’t use their brain?

オートリクシャを捕まえてサダルストリートに向かった。宿で悪くないコーヒー屋台があると聞き、チャイの生活に慣れつつあったくせにコーヒーを飲みながら煙草を燻らせたい欲望に抗えなかったのだ。同じくコーヒーが飲みたいという宿泊客の女の子も道連れにした。

消防署を背にしてしばらくサダルストリートを歩いていると見慣れた直火式のエスプレッソマシンが置いてある屋台を発見。カフェラテを二杯頼んで日陰になっている椅子に座って待つ。隣に旅行者らしき男達がコーヒーを片手に談笑していたのでしれっと加わった。

すぐ隣りに座った男にどこから来たのか尋ねるとネパールからという答え。勝手に見た目だけでアルジェリア系フランス人のイケメンだと予想していたのに見事に裏切られた。カフェラテを飲み終わって少し歩いたところで安い煙草を売っている店を発見したので同じ宿の女の子と別れて二箱購入し、今歩いてきた通りを折り返してさっきのコーヒー屋でもう一杯コーヒーを注文した。

ネパール人の彼はインド人の若者と話し込んでいて、隣に座って時々自分の意見を言う以外はひたすら彼らの話に耳を傾けた。「どうしてこの国のほとんどの奴らは頭を使わないんだ?5パーセントの頭を使う奴らが金を独占してるんだぞ」と彼はインド人の若者に淡々と話し続ける。ドイツを拠点に旅行ガイド業をしている彼の目にインドの現状は歯がゆく映っているようだ。

まだインドに来て3日、この国の長い年月と共に濁った井戸の奥深くまで沈んだ澱のような歪さの一端は目にしていたが改めて言葉されるとただ頷くしかなかった。来て間もない自分が語るべき言葉はまだ何もない。

2杯めのコーヒーを飲み干して彼らに別れを告げ、オートリクシャを使わずに歩いて帰った。何人もの人が自分に話しかけ、勧誘し、金をせびってくる。時には怪しげなビルの入り口に座る老婆から手招きを受けたが全て受け流し、宿の玄関の扉を開けた瞬間に昼食のステーキのことで頭が一杯になった。

 

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT – リリィ


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