DAY 023 Chai is not too sweet.

朝、大通りの交差点の角にあるチャイ屋でチャイを啜っていた。学校に向かう子供を送る人、通勤のために相乗りのオートリクシャを捕まえる人、大きなスパナを肩に担いで歩く人。皆がそれぞれに忙しなく動いていて、チャイ屋の椅子に座っていても声を掛けてくる人はほとんどいなかった。煙草を吸い終えるまでの5分間だけは自分が異質な存在ではなく風景の一部になっていた気がする。

宿に戻って朝食を取り牛乳の代わりに生姜が入ったチャイを飲みドミトリーのベッドの上でだらだらと過ごす。昼食も宿で食べた後、他の旅行者と一緒に少し歩いたところにある美味しいと評判のチャイ屋へ向かった。なんでもそこの親父のチャイの淹れ方がなかなか美しいらしい。

チャイ屋に着くと店番をしていたのは親父ではなく息子のほうで、どうやら運が悪かったみたいだ。とりあえずチャイを一杯頼み淹れ方を眺めていると確かに他のチャイ屋と違って見られていることを意識しているようだった。宿のスタッフによると息子の腕前はまだまだ親父の域に達していないとのことだったのでまた明日飲みに来よう。

帰り道に自動車の部品を扱っている店が並ぶ小さな通りの奥に入ってみた。奥に進むに連れて部品屋から修理屋に代わり、最終的には自動車の解体屋が並んでいた。なるほど奥で車を解体した後修理して使えそうな物は修理屋に流れ、すぐに売れそうな部品は部品屋に流れていく仕組みなのだと理解する。ある意味では非常に効率的なのだが、自動車のサイドミラー専門店の需要と供給のバランスが取れているとはとても信じられなかった。

夕方まで惰眠を貪ってバンコクのスワンナプーム空港から一緒だった日本人の旅行者がタクシーを拾ってハウラー駅に向かうのを見送った。そのままぶらぶらと歩いたことのない通りを歩いていると客引きをしていたチャイ屋の少年に捕まって本日4杯目のチャイを飲むことに。チャイが出来上がるまで少し時間があったので客引きの少年と何故かウインクの勝負になり、こちらが白目を繰り出したら吹き出したので勝利した。

日本にいる時はコーヒーも紅茶にも牛乳だけ入れて砂糖なしで飲んでいたのにインドに来てから甘ったるいチャイが妙に美味い。素焼きの小さな器で冷ましながらゆっくりと飲む時間は実に甘美で、おそらく砂糖のせいだけではないだろう。

 

さよならポニーテール – まったりしてしまったり(tofubeats remix)


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