日曜日、久しぶりにMETROに行った。本当はちょっと前のPARAのライブに行くつもりだったけど予定変更。K2レコードで借りてきたBathsのアルバム3枚が全てツボにはまってしまったので少し高めのチケット代を物ともせず、一人で寒い中自転車を漕いで神宮丸太町駅の階段をてくてくと下りた。
前座の2人の日本人のパフォーマンスもなかなかよかったが、ウィル・ウィーゼンフェルドが歌い出した途端に締めていないはずのネクタイを無理やり引っ張られたかのようにBathsの世界に引きずり込まれた。ライブの醍醐味でもある音源とは違った歌や演奏、Bathsの場合は演奏やミックス的な意味でそこまで大きな違いがあった訳ではないけれど、決して暴力的ではなく穏やかさを併せ持ったパワーが存在していた。
ウィーゼンフェルド自身はライブの合間に客から「かわいいー」「ぽっちゃりー」と歓声が飛ぶほどファニーなキャラクターの持ち主だったけれど、一度演奏が始まると彼の頭の中や腹の中にはファニーじゃないもんが詰まっているはずだと勝手に思ってしまった。Sigur RósのJonsiのような強烈な透明感のようなものを持っているわけでもなく、おそらくめちゃめちゃ歌が上手いわけでもないのに、何故だろういまだにあのライブで聴いた歌声が耳にこびりついて離れようとしない。
冬の京都の地下室の夜に、とてもとても美しい時間。
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