DAY 129 Idyllic Kincsem Park

明日の夜に出発するクラクフ行きのバスチケットを買ってしまった。自分の人差し指で購入ボタンをクリックしたのにひどく間違ったことをしたような気がしてしょうがない。

ブダペストを出ると決めてしまうとまだ空が明るいのにホステルでぐだぐだしてるのが勿体無く思えてきて外に出る。今から向かえば最終レースまでじゅうぶん間に合うことを思い出してメトロに乗って競馬場へ。

三ヶ月前に滞在していたインドのハイデラバードでも競馬場に行こうと思っていた。しかし開催時期が自分の予定を合わずに結局断念してしまいそれ以来ちょっと心残りだった。

メトロを降りて地下道を抜けるとそこが競馬場だと信じられなかった。最低限の低い柵はあったものの、観客席らしきスタンドが遠くに見えなかったらただの原っぱだった。あまりにも、あけっぴろげ。

ハンガリー語の説明書きしかなかったので馬券を買うのは早々に諦めた。今日のレースは騎手が馬の背中に乗らずに後ろの二輪馬車に繋駕速歩というやつらしい。スタンドに上がってみるとわりと閑散としているものの若者から老人まで客層は幅広く、ちょっと飽きてきた小さな子どもがそこらへんで遊んでいる光景なんかは日本と同じだ。

しかしとても静かだ。スピーカーから音楽が流れているが音量は控えめで、実況アナウンサーの喋り方もずっと淡々としているのでレースはいつの間にか始まっていた。もうちょっと射幸心を煽ってもいいのではないかと思ってしまうくらい。競馬場にいるはずなのにしっくりくるのは「牧歌的」という言葉だった。

 

Brian Eno – By This River


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