DAY 007 Lazy Life at Riverside

鶏の甲高い鳴き声がこちらの都合などお構いなしに威勢よく朝の始まりを告げた。起き上がり窓の外を見ると隣の家の庭にたくさんの鶏たちが飼われていた。おはよう諸君、それは君たちの仕事だから特に異議は唱えないが明日からは少し控えめに頼むと頭の中で伝わるように念じて二度寝を決め込む。

エアコンはついていないがしっかりした首振り機能付きに扇風機だけで部屋の中は涼しく快適で、もう一度目が覚めてからもしばらくベッドの上でうだうだと微睡む。腹が減ったのでボサボサ髪のまま遅めの朝食を取りに川向こうへ。

ラオスはサンドイッチが美味いと何人かの旅行者から聞いていて、実際昨日ドライブインで食べたサンドイッチも美味しかった。通りの食堂やスタンドの看板にもたくさんのサンドイッチという文字が見え、どこで食べようかと決めかねていると一人の若くはないがおばちゃんと言っては失礼な女性がやっている食堂が目についた。ツナサンドイッチに卵をトッピングしてラオコーヒーも一緒に頼む。

出てきたのはサンドイッチと呼ぶにはちょっとデカすぎる代物だった。かなり大きめなバケットを縦に切れ目を入れて平たくし、野菜とツナをぎゅうぎゅうに詰めた上に目玉焼きになった卵2つが蓋をするようにのせられている。重量もそこそこあったのでナイフで切り分けて齧り付いたら歯ごたえのあるパンにたくさんの具がいい塩梅で調和しエクセレント。こりゃまた来ねば。

大きなアイスラオコーヒーが入ったカップを片手に宿に戻り、廊下に置いてある椅子でぼーっとしていると白黒ぶちの猫がやって来て足元にまとわりつき撫でろと催促してきた。かわいいやっちゃなお前さんはと一通り全身を撫で回し部屋に戻る。ごろごろしていたら時間はどんどん過ぎていく。このまま日が暮れてしまうのはさすがに勿体無いと散歩に出ることにした。

バンビエンは小さな町なので中心部だけならおそらく半日もかからずに一回り出来てしまうだろう。路地に入り込みつつ大通りを北から南に歩いていると普段吸っている黄色い煙草が3000KIPで売っているのを発見。ヴィエンチャンでは3000KIPだったのにこちらに来てから5000KIPで売っているところしかなかったので思わずカートンで買ったら割引まであった。

バギーをレンタルしている旅行者がマリオカートみたいに颯爽と駆けていくのに見とれていたら近くにツーリスト・インフォメーションの看板を発見。なんとなく中に入ってみると欧米系の年配の夫婦が宿を探していて、中心部は騒がしいからリバーサイドとかにないの?と話している。おれ今泊まってるとこ静かで設備も悪くないよ、名前にバックパッカーって付いてるけど中身は中級ホテルでっせお二人さんと伝えると悪くない反応。

夫婦が出て行った後自分も特に用が無かったので外に出るとさっきまでカウンターの中にいた年配の白人男性が追いかけてきた。ありがとう助かったわと礼を言われ、彼はスタッフではなく英語にラオ語、タイ語など様々な言葉に堪能でたまたま手伝っていた旅行者だった。ここらへんの中心部はうるさいけどバイクで20分も走ってみ、別世界になるよと言われそのうちバイクを借りて走ってみたくなる。

炎天下をしばらく歩いているとラオビールの文字を見ただけで喉が鳴るようになり、1本単位で売っている屋台のBBQを買って奥の食堂に上がり込み至福の時間。昼間っからビールってなんて素敵なんだろうか。さっきBBQを焼いてくれた女の子が椅子に座りかぶっていた帽子を脱いで暑そうに扇いでいる。そりゃそうだ、こんな暑い中ずっと火の前にいるんだもの。やってらんないわーという表情に大変だねと表情で返すと女の子は立ち上がりまた串を回し始め、その背中を眺めつつこちらもまたラオビールの瓶を傾け続けた。

 

Fennesz – Endless Summer


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