どちらかと言えば自分は古いタイプの旅行者であったと思う。そしてそれはたぶんもう変わらないだろう。だからただ時代遅れなだけかもしれない、ついていけないだけなのかもしれない。

 

しばしばFacebookのタイムラインにまたバックパッカー系ビジネスやフォーラムの投稿が流れてくる。自身では一切フォローしていないが友人や知人の誰かがフォローしているからだ。

そういうような投稿を見かけるといつも「誰が参加するんだろう?」と疑問に思ってしまうのだが、途切れずに開催されているのは参加者や賛同者がちゃんと集まっている証拠だ。旅行に出るまでは全く知らなかったがネットやSNSの普及によりパッカー向けの団体やビジネスはわりと確立されているらしい。

投稿に添付されているチラシ的画像を見るに参加者のメインは大学生や20代中盤くらいの人々。長期旅行以前に初めて海外に出る人も多いのだろう。また全国で開催されるフォーラム的な集まりもなかなか大きめな会場が押さえられている模様。引率ツアーは比較的良心的な価格が設定されており、儲け第一というよりは本当に旅行が好きな人がたくさんの人に旅行に行ってもらいたいのだろう。

 

そんな事実を目の当たりにしても自分はこういったビジネスやフォーラムをこれっぽちも好きになることが出来ない。異国の魅力を安易に煽るだけではなく、たとえバックパッカーとして旅行する際に伴う危険を丁寧に説明しているとしても。

料金が発生している以上それはビジネスだ。契約書や特記事項に「実際に旅行に出て何が起きても一切の責任を負いません」的なことはもちろん書いてあるだろう。当然のことだ。でもいざそういったビジネスに参加した旅行者が取り返しのつかないことになった場合、果たしてビジネスをしている側の彼らはどうするのだろうか?

一切の責任は無いだろうしそもそも旅行は自己責任で行くものだ。でも、その旅行に出るきっかけに程度の差はあれどビジネスとして関わったせいで取り返しのつかないことが起きたこともまた事実になる。そう考えると自分はとてもバックパッカーというスタイル自体をビジネスにすることなんて出来ないし絶対にしたくない。

 

ある程度長期で、個人で海外を旅行することは決してノリでするべきじゃないと自分は考える。衝動的なのはいい、でもノリで行ってしまうのは駄目だ。そしてそのノリが自分自身の能動的なものではなく受動的なものだったら尚更論外だ。

そして若者と称するには無理がある年齢になってきた最近は子の立場だけでなく親の立場になって考え想像するようになってきた。もし自分の子がノリで参加したイベントのノリに感化されて一人で異国を彷徨いノリで死んだとしたらやりきれないなんてものじゃない、怒りすら感じるかもしれない。

加えて旅行に出る前の下調べや準備の段階、初めての異国に到着して間もない頃に感じるどうしようもない不安や心細さってすげえ大事だし、ある意味ではバックパックを背負って行く旅行の醍醐味でもあるんじゃなかろうか。通過儀礼でもあるそれらの体験や機会をみずみず失う、失わせてしまうのはひたすらに勿体無い。

 

誰かとつるんで旅行するのはとても楽しい。楽しくて楽で良くも悪くも安心だ。しかし同時にクローズドなサークルの中だけで時間を過ごしがちになり、バックパックを背負って旅行する本質からだいぶかけ離れてしまう。なんというか、個人的にわりと気に入っていて誰かに言われたらとても嫌だろう言葉をあえて使うとそれって極めて駄サイクルだよなあ。

 

Baths – Miasma Sky