クリスマスイヴが終わるころ、渋谷、VISION。家族で静かに過ごすこともカップルで愛を囁き合うことも選ばなかった奴らがぞろぞろとボディチェックを受けて地下へと降りていく。自分もその一人。

油断して開場時刻よりも遅めに入ったらなんと目当ての一人agraphのプレイは終わっていた。無念。メインフロアのSUGIURUMNは最初全然ぴんとこなかったけど終盤になるにつれてうまくシンクロしていき快感指数がどんどん上がっていく。

砂原良徳のソロは初めてだったがちょっと予想外。直前のDJの、言ってはなんだがまりんっぽくないムードをそのまま引き継いで始まった。ところどころおおっと思わせるようなパートはあったもののなんとなく消化不良のままバーカウンターに喉の渇きを癒やしに逃げる。

テイ・トウワのおかず多めなプレイをひとしきり堪能したところで真打ちが現れた。そして出血大サービスなんて安っぽい言葉じゃ足りないくらいの素晴らしきルナティーキ!先月のWOMBよりも遥かに遥か彼方にテンションも血圧も上がりひたすら揺れ踊った。

自分が陣取っていたのはステージに向かって一番左端の最前列、スピーカー前。そこからは石野卓球の一挙手一投足が全て丸見えだった。必死さすら漂わせつつ踊る中で合間合間に見えるその姿はこのぎゅうぎゅうに詰まったハコ、いやこのくそったれ気味な聖夜の東京で一番かっこいい大人の男のそれ。かっこいいとはこういうことなのだと生まれて初めて納得しそして理解したのかもしれない。腑に落ちた後はまた意識をビートの海にゆっくりと沈めていく。

 

ゆらゆら帝国 – 昆虫ロック