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Revised: The duty and responsibility of tourists, but sometimes it can’t be helped.

  • 11月 21, 2016
  • Posted by Keiichiro Sato
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    昨晩眠る前に何気なくいくつかのニュース記事を呼んでいた。そしてとある記事の見出しで指が止まり、クリックして内容を凝視する。「日本人男性、強盗に銃で撃たれ死亡…コロンビア」と書かれた見出しの下の文章の中にメデジンという地名を見つけた瞬間顔を覆った。

    日が昇る前に目が覚めてニュースの続報が出ていないか探すが日本語のニュース記事では見つからず、Medellin Japonesという単語を打ち込んで出てきた現地のニュースを英語翻訳してみた。そこには事件が起きた場所や男性の行動が比較的詳しく書かれていて、内容は把握していくにつれて10ヶ月前にメデジンで過ごした記憶が蘇っていく。地元記者が裏も取らないまま書いた正確性を欠いたニュースが一次情報源になっていたらしい。実際に被害にあった彼はそもそもタブレット端末を持っておらず、携帯電話も奪われなかったそうだ。

     

    長期旅行者が帰国すると必ず何度もされる質問「どこがよかった?」に自分が答えるとき、幾つか挙げる地名のひとつがメデジンだ。直前に滞在していたボゴタでアメリカビザにまつわるゴタゴタで疲れ果てていたせいもあったがそれを差し引いても素敵な日々を過ごしたと断言できる。特に何をするわけでもなかったのだが単純に居心地が超良かったのだ。

    なぜそんなに居心地が良かったのか?宿や、同じ部屋の旅行者たちや、知り合った日本語を学んでいたり日本文化に興味を持つメデジンの人々のおかげだった。それとメデジンに美女が多いからというのも言うまでもなく。

    だからこのニュースを読んで真っ先に思い浮かんだのが知りあった彼らのことだった。「昔はメデジンといえば麻薬のイメージだったけど今はがらっと良い方向に変わっていて、だから麻薬をテーマにした映画が公開されるのを嫌がる人は多いよ」という会話や、それと数年前に最も革新的な都市の一位にメデジンが選ばれたことや世界幸福度ランキングの一位がコロンビアだったことも一緒に思い出す。

     

    彼が歩いていた道は自分が何度も歩いた道だった。午後4時という時間はまだ十分に明るく人通りもあり、そもそもそこは閑静な住宅街だった。

    断片的な速報を読んだ人々のリアクションで「奪われた後に追いかけなかればよかった」というものがいくつもあった。全くの、ぐうの音も出ない正論だ。確かに追いかけなければ最悪の事態を免れることが出来た可能性は極めて高い。

    自分は幸いにも旅行中に襲われた、盗まれたという経験はなかった。でも同じ場所を歩いたことがある同じ長期旅行者だった身としては彼が追いかけてしまった気持ちが理解できて、さらに想像してしまうのだ。長期旅行におけるスマートフォンやタブレットの有用性、もしかしたら旅行中に撮った写真や動画が沢山入っていてバックアップがないから失ったら二度と取り戻せないと思ったのかもしれないこと、そしてこんな治安のよさそうな場所なら追いかけても大丈夫かもと油断してしまったのかもしれないこと。タブレットはそもそも持っておらず、携帯電話も奪われていなかったことを知ると考える前提条件はがらっと変わる。奪われて追いかけたというような(失礼を承知の上で)わかりやすいストーリーが無ければ何も語ることが出来ないことに気づき愕然としてしまう。

    襲われた彼と自分の違いは純粋に確率論の問題で、立場が入れ替わったとしても全く不思議じゃなかった。そう思うと余計にやり切れない気持ちになり、ご家族や親しい関係の人たちの悲しみの大きさはとても想像なんて出来ない。

    自分が出来るのはただメデジンの人々のことを考えることだ。贔屓目なのかもしれないが主観で考えてしまうし、主観でしか考えられない。この出来事を悲しんでいるのは決して彼の身内だけではないこと、「日本人男性がコロンビアのメデジンで撃たれて死亡した」というしばらくの間強く残っていく記憶や印象の影響の大きさについて考えてしまう。

     

    自分はこの先も変わらず「どこがよかった?」という質問にメデジンの名前を挙げ続けるだろう。だって実際によかったのだから。ただしその質問をしたのがこれから長期旅行に出かける人ならば付け加えるべきこともある。タンザニアのザンジバルで友人が教えてくれた、旅行者のバイブルと呼ばれている本を書いた作家の言葉だ。

    「恐れずに。しかし、気をつけて」、そしてこう続けるだろう。旅行者は無事に帰ってくる義務と責任があると。家族のために、友人のために、そして出会って世話になった人々のために、旅行者は自分のことなんかよりその人たちへの義務と責任を果たさなければならないよと。後から知った事件当時の様子から考えると「気をつける」ことで被害を避けれれたとはとても思えない。しかし気をつけても無駄だったとすれば一体どうすればよかったのか、どうすればいいのだろう。運、不運や確率の問題で片付けてしまうにはあまりにもやり切れない。

    彼のご冥福を祈ります。

    追記:何故かインドネシアのニュースサイトで、メデジンの事件とあまり関連していないと思われる記事があった。Googleのぼんこつな翻訳と写真から推測するにクアラルンプールのモスクにあったマッサージチェアにまつわるエピソードらしい。

     

    thee michelle gun elephant – ジェニー

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