DAY 224 Finally I could not resist buying it.

ヤズドを離れる日、なのにもまだ次にどこに行くか決まっていない。チェックアウトを済ませて屋上に煙草を吸いに行くとイラン人の若い男二人と出会った。

一人はテヘランから来たカメラマンで、ヤズド観光に関する写真を撮りに来たそうだ。ヤズド在住の友人であるもう一人の男に頼んでよさげなところを案内してもらっているとか。困ったときには誰かに決めてもらおうと、「カシャーンとシーラーズどっちがお薦め?」と質問してみた。

二人の答えは迷うこと無くシーラーズ、カシャーンはヤズドを一回り小さくした感じだからという理由だった。ほんじゃシーラーズに行くかとバスチケットを買いに旅行代理店に行ったら昼休み、夕方もっかい来るしかない。

日が暮れた。購入したシーラーズ行きは深夜12時発なのでまだまだ時間がある。旅行代理店を出て徒歩1分のところにある画廊を再度訪れた。一昨日発見した後昨日は店の中に入らず外からご執心の絵を眺めたがまだ心は決まらない。

改めてじっくりと絵を眺めた。見れば見るほど欲しい気持ちは大きくなる。作者でもある店主にリアル払いだといくら?と聞くと一昨日よりも少し安くしてくれた。しばし考え悶え、両手で頭をわっしゃっしゃと掻き毟り決断した。買います、買いますよう。

額から外して梱包を頼み一旦外に出た。「買ったぜ、やったぜ」という喜びと「買っちまった、やっちまった」という後悔が交互に押し寄せてくる。一目見た時から買いそうな予感がしていたとはいえこれはしょうがない、お約束みたいなものだ。

一時間経って受け取りに戻った時に店主に「この絵に一目惚れですわ。抽象画がなんか好きなんですよねえ、ポロックとかロスコとか」と言うと「おれもポロック大好きなんだよ!」とがっちり握手を求められたのでちょっと嬉しくなる。彼は大学で絵を教えながら画廊を経営しているとのこと。

深夜、ホテルから中国人旅行者二人とタクシーに相乗りしてバスターミナルに向かう。「これからシーラーズに行くんだ」と話すと「ペルセポリスは絶対におすすめ」らしい。もちろんペルセポリスに行くよという反応を期待していた彼らに「絵を買ったから予算が…」と言うと笑われた。

 

Hauschka – Girls


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