泡沫泡盛

沖縄という場所には何故か縁があり、ずっと持ち続けている暖かい土地への憧れも相まって気づけば日本の中で住んでいる関西と地元、そして東京を除けば一番訪れている土地かもしれない。

最初は大学一回生の冬で、確か12月のある朝起きたら全てが嫌になってしまい気づいたらモノレールの伊丹空港の駅に降り立って当時短期バイトを始めたばかりだった警備会社に「バイト辞めます」と電話していた。そしてそのまま航空券学生当日半額のスカイメイトを使って那覇に飛んだものの着いたら生憎の雨模様で、那覇空港から一歩も外に出ずに石垣行きのチケットを買ってさらに南下した。

石垣空港を出る頃にはもう夕方で、とりあえず港行きのバスに乗ってフェリーの乗船券売り場に行ったら「あと5分で竹富島行きの最終が出る」と言われ日も暮れて薄暗くなった頃に竹富島に到着した。発作的な衝動で竹富島まで来てしまったと愕然としながら集落までトボトボと歩き、ゲストハウスを探し当てて結局10日ぐらい滞在したのかな。竹富島から一歩も出ずに置いてある漫画を読み漁ったり他の宿泊客とドラマ「スタアの恋」の藤原紀香の演技を爆笑しながら見てたり泡盛でクリスマスケーキを食べたり、思い返してみるとだらだらと贅沢な日々だった。あと当時は気づかなかったが「にーにー」と島の女の子に呼ばれた時に人生初の萌えも体感していたはず。

第一印象が大事とはよく言ったもので、多分人だけでなく土地もそうなのだろう。あの素敵な日々があったからこそ、その後も沖縄がひょっこり自分の人生に登場してくるようになった気がする。しかし寒い京都の夜にこんなことを書いていると惨めでしかないのがただただ悲しい。


Ernest Gonzales – Falling Asleep to the Glow of the Television


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