DAY 377 Beach, winter.

天気予報が当たって雨は昼過ぎには止んだ。くすんでいた空も今では晴れ間が見えるくらいだ。クイーンズボロー・プラザでQトレインに乗り換えて、後はひたすら終点まで。マンハッタンを縦断して、ブルックリンの南の果てまで。

一昨年の夏に初めてコニー・アイランドに来たのは偶然だった。ルームメイト達と連れ立って自由の女神を見に行くつもりだったのがメトロの乗り換えを間違えて「じゃビーチでビール飲んでねえちゃん眺めるべ」ということになったのだ。

メトロで行ける気軽さもあって三ヶ月の滞在で三回は来た気がする。最後に来た時は帰国直前、もう季節は秋だったので泳ぐ人はもうまばらだった。そして今、泳いでいる奴なんているわけがない冬のビーチ。

この一年、振り返ってみればわりとたくさんのビーチを訪れた。いわゆる夏の、ビーチパラソルとかボブ・マーリーなんかが似合ってしまうやつだ。でも個人的にそんなに楽しめた記憶はない。だって基本一人で行っても楽しいとこじゃないんだもの。

でも冬のビーチはお一人様にも優しい、というかあまりガールフレンドを連れて来るべきところじゃないのだ。波の音と風の音、たまにカモメが鳴くぐらいでとても静かだ。訂正、別れ話をするにはいいかもしれない。寒いので長々と揉めるのは無理だし振られたほうは海に向かって叫んでもよし、飛び込んでも三分くらいなら浸かっても死にはしないだろう。

帰りにマンハッタンで途中下車して有名なストランド・ブックストアに行ってみたらJH EngstromとRyan Mcginleyの写真集を発見してかなり悶える。ハードカバーって重たいし嵩張るんすよ、でもやっぱ実物見たら欲しくなっちゃう。ドルが100円くらいまで急落しねえかなあ。

 

Aphex Twin – Untitled (Four Tet Remix)


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