DAY 362 The maid cafe fantasy.

日本を出発してもう一年、今日という一日が終わり自信を持って断言できる。「自分はここに来るためには一年もはるばるいろんな国を旅行してきたのだ」と。

朝、火曜日にチェックインしてから賑やかに過ごしてきた他の滞在客のほとんどがチェックアウトしていった。自分も一緒にチェックアウトして移動しようかなと考えたが日曜日はあの場所がオープンすると聞いてもう少し滞在することに決めた。

昼過ぎ、野郎3人平均年齢35歳のグループが結成され気分はいざ鎌倉。目的地に到着するとちょうどオープンしたところですぐに店内に案内された。階段を降りるとずらりと並んだメイドたちがせいので一言、「いらっしゃいませご主人様」。その時点で野郎どもの頬はだるだるに緩んでいた。

オムライスとドリンクを頼んでしばしメイドたちの働きぶりをチラ見じゃなくてガン見する。「世界で一番かわいいメイドカフェ」と聞いていたが全く誇張表現ではなかった。もうね、みんなかわいいの。すげえすげえかわいいの。

やがてオムライスが運ばれてきた。皿にはサラダやポテトが添えられなかなか美味しそう。もちろんオムライスにはケチャップはまだかけられたいない。リッタという名のメイドが目の前でLOVEという文字を描き最後にハートでぐるっと囲んでくれているその数十秒、それはもう至福という言葉では言い表せない。言葉に出来ないとはこういうことなのだ。

デザートを注文したりして無意識に長く居座っていた。気がつけば入店してからもう二時間、時が過ぎるのなんてあっという間だ。「時よ止まれ、汝(たち)はいかにも美しい」、メイドにゲーテを引用するなんて怒られそうだけど。

我々のテーブルを担当してくれたリッタと最後に記念撮影をして、英語が出来る彼女に「今まで会ったコロンビアの女の子の中で君が一番かわいいよ」と歯の浮くような台詞をごく自然にそっと耳打ちしてしまった。店の外に出て煙草の煙を吐きながら、誰にというわけではなく、あるいは自然に世界に宇宙に向けて、皆でありがとうと言い合う。二時間以上緩みっぱなしの頬が戻る気配はない。

 

The Smashing Pumpkins – Today


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