DAY 329 Yes, we are megalomaniacs.

朝食前の一服をするために玄関に出るとカサの男が立っていた。そして「個室を予約してた韓国人がいただろ?彼が来るから君ら5人全員は泊まれないよって説明したあれ。午前2時まで待ってたけど来なかったんだ」と眠そうに言う。

「そいつは昨日の夜遅く何故かシオマラのところに行ったみたいなんだ。空港から直接タクシーで来れるように住所も教えてあるんだ。そしてシオマラのとこに泊まった挙句4泊分の宿代も払ったんだと」と彼は溜息を吐きながら続けた。朝っぱらから本当にしょうもないニュースだ、クレジットカードから引き落とされないからって適当なことしてんじゃねえよ。”He must be crazy.”と慰めにもならない言葉をかけたら彼は”Exactly.”と短く吐き捨てた。

今日の空は引き続きどんより曇っていたがぎりぎり雨は降っていない。待望の日本食食堂で待望のカツ丼を食べてぶらぶらと目抜き通りを歩き小さな土産物をいくつか買った。夕方カサに戻って少し休み暗くなってから三日連続で同じ安食堂へ。値段が安いわりに味が悪くなく、さらにウエイトレスの女の子がわりとかわいいのだ。

昨日までそっけなかった彼女だったが顔を覚えてくれたらしく「ハバナはどう?」と聞いてきたので「ハバナ最高。ここのご飯美味い。君かわいい」とうっすら狩野英孝風に答えると笑ってくれた。よっしゃ、学校に通ったかいがあった。

パルケでちょっとネットに繋いでからカサに戻るとカンクンで一緒の宿だった二人組と再会、半荘一回だけだが卓を囲んで牌をつまんだ仲の男性とラムとコーラを並べて飲み始める。

彼の前職の会社名を聞いた瞬間「もしかして○○○の人と一緒?」と最も好きな日本のバンドの名前を出した。まあ大きな会社だし年齢も離れているので多分知らないだろうなと思ったのにまさかの先輩後輩というミラクル。もうね、自分のテンションはストップ高状態。

彼とはなんとなく馬が合って普段は気をつけて話題にしないようなことも話した。内容は置いておくとして、自分の結論は「スーツケース最高!ドア・トゥ・ドアでホテル行きてえ!ハワイのパックツアーに参加してえ」的な感じ。

そしてお互いにちょっと酔いが回った頃可能性についての話になった。自分は実現する可能性が0.0000001%未満だろうが今年の夏にエアコンの効いた部屋でのっちとごろごろゲームしたり荷物持ちとして買い物袋をあほほど抱えながらあーちゃんの後ろを歩いているかもしれないと本気で思っている。願っているとか信じているとかじゃなく、起こりうる現実として妄想しているのだ。

彼も同じような考えの持ち主でしばらくお互いの妄想を披露し合った。こういう話をすると可哀想な感じで見られたり「お前もう30歳だろ?現実見ろよ」と本気で諭されたりすることが多いが声を大にして反論したい。「備えあれば憂いなし、練習で出来ないことは本番でも出来ないんだ」と。

 

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