あれは中学生の頃だったろうか。本屋で手にしたいわゆるディアゴスティーニ的な、世界の画家みたいなシリーズだったかな。その創刊号がゴッホだった。値段が安かったこともあってなんとなく買って帰りひまわりの絵のページを切り取って壁に貼ったことを覚えている。
予約の時間ちょうどに中に入りクロークに荷物と上着を預けて人だかりのほうに向かう。今はムンクの作品を持ってきて一緒に展示する企画展が開催されているらしい。
ムンクといえば叫び、というか叫びしか知らなかったのだがそれ以外にも足を止めさせる作品がマドンナとかたくさんあった。でも気がついたらムンクの作品の隣に展示されているゴッホの作品に目が引き寄せられる。そして胃袋の中に決して小さくはない石をごろごろと詰め込まれたような気持ちになる。
一通り見終わってベンチに座って少し休憩して気になった作品をもう一度見て周る。そしてこのゴッホの息が詰まるような重さは何なのだろうかと考えてしまう。もちろん生前に評価されずに不遇だったとかそういう理由もあるのだろうがそれだけでこの重さは出てこない気がする。美術館を出る頃にはすっかりゴッホの絵に酔ってくらくらしていた。
なんだか無性に広いところに行きたくなりメトロの終点で降りてぶらぶらと歩いた。冷たい風のおかげでようやく気分がすっきりした。しかしアムステルダムは三日間だけの滞在だったがゴッホに全て持ってかれたなあこりゃ。
Grateful Dead – Friend of The Devil
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