ステパナケルトから小一時間、マルシュルートカに乗ってシューシという町にやって来た。車窓から見える空は薄暗く、なんか怪しいなと思っていたら窓に水滴が張り付いている。到着して少し雨が小降りになるのを待って散策を始めた。
シューシには人が住んでいるのだが体感的に建物の半分くらいは廃墟と化していた。道端でドイツ人の年配の夫婦に出会い、彼らが廃墟になったモスクの場所を教えてくれたので行ってみる。大広間みたいなスペースはがらんとしていて数本の柱だけが残っていた。
モスクの隣にはミナレットが立っていた。入口が封鎖されていなかったので狭い階段を上がっていき、頂上に立つとシューシの町が一望できた。薄暗い曇り空ということもあってそこはかとなく寂しい風景。
地質学の博物館を見つけたので入ってみる。知識があれば非常に興味深い場所なのだろうが少々難解過ぎた。そこのスタッフがすぐ近くにある滝を見下ろすことが出来る場所を執拗に薦めてきたので素直に従ってみる。
少し歩くと視界が開ける。枯れた草原が広がり、その先は渓谷だった。滝は結局見つけることが出来なかったがもうどうでもよくなっていた。この風景だって寂しいものなのに、さっきミナレットから見た風景と違って眺めていると妙に気分が落ち着いた。これで絵になる女の子でもいたら最高だったのだが、そいつはちょっと欲張り過ぎか。
Baths – No Past Lives
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