ごそごそという音で目を開ける。あれ、スリコだ。そうかスリコの部屋に移ったんだっけ。かすれ声でグッドモーニングと言うとスリコはにやっと笑って「カンパーイ」と返した。
朝食の後にだらだらとパッキングをしているとスリコがテーブルの上からコニャックのボトルを持ち上げた。おいおい、まだ午前中ですよスリコさん、ああ目が合っちゃったよ。自動的に二つのグラスにコニャックが注がれはい乾杯。もひとつおまけにはい乾杯。
チェックアウトする前にメディコに挨拶しに行くと「今度は奥さんと息子と娘と、家族で来なさいな」と言われた。二人が元気なうちにと考えると急がなきゃ、なかなかの難題だ。
トビリシ行きの電車はゆっくりと東に進んでいく。マルシュルートカで行ったほうが早く着いたのだろうが特に急ぐ理由もないし、なるべく時間をかけて移動したい気分だった。川に飛び込む時や酒を飲んでいる時にシェイがよく言っていた「スロウリィ・スロウリィ」という言葉をふと思い出す。長い休みをとって長い旅行をしているくせに夏休みの最終日みたいにちょっと悲しくなった。
Kyte – You’re Alone Tonight
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