DAY 197 Lost In Translation

「一緒に洞窟行かない?」、個室に泊まっているドイツ人の女の子二人がと朝食の時に誘ってくれた。特に予定もなかったけれど一日中英語で会話するのはちょっとしんどいので悩む。が、「途中で川があったら泳ぎましょう!」という発言で迷いも惑いもまるっと消え去った。

両手に花で出発、イッツ・ア・ビューティフル・デイ。マルシュに乗り親切なオッサンの車に乗り、あ適当に歩いてちょっと迷ったが無事到着。プロメテウスの洞窟の中は過剰にカラフルにライトアップされてちょっと残念だったがかわいい女の子二人と一緒に来ているおかげで全然気にならなかった。

行きに立ち寄った小さな洞窟をもう一回覗いてから町のほうに戻ることしたのだが、大勢の男たちがパーティーを開いて強烈に歓迎されて断りきれずご相伴に預かることに。

旅行者を招待するのはとても縁起がいいことらしく祝いの席でしか開けないという白ワインとたっぷりの料理を振る舞われた。ジョージア語、英語、ドイツ語、ロシア語が入り混じった和やかな宴席ではことあるごとに乾杯が繰り返されていく。

結構な時間が過ぎていた。司祭だというお爺さんが車でマルシュ乗り場まで送ってくれたのだが、この人さっきまで目の前でワインがぶがぶ飲んでたような…まあ気にしない。おっと、大事な大事なことを忘れてた。「これから川行って泳ぐ?」「もう夕方だし今日は止めときましょう」神は我を見放したのか、さよならビキニ。

夕食は街で食べるという女の子二人と別れて宿に戻ると綺麗なドイツ人の女の子が大部屋にいた。その子とアメリカ人のシェイ、そして自分が夕食の席について待っていると「カンパーイ」と叫びながらスリコ爺さんが登場。待ってましたよ。

スリコの酒は噂通り、いやそれ以上。曲芸みたいな飲み方を次々と披露して自然と皆楽しくなって酒が進む。スリコとはほとんど言葉が通じていないはずなのにお互い酒が入ったグラスさえあればノー・プロブレム。

しばらくして自分の視界が予想以上にぐらついているのに気づく。これはよろしくないなと自覚した途端に吐き気がして慌ててトイレに駆け込んだ。そういや昼間も結構飲んだしなあ、悔しいがここでギブアップ。シェイが女の子たちと楽しそうに飲んでるのを横目に大部屋のベッドに倒れこんだ。

喉の渇きで目が覚め、水をがぶがぶと飲んだ。身体の調子はもう問題なさそうだ。暗闇に目が慣れてくると近くのベッドで寝ている女の子の姿が見え、すーすーという小さな寝息だけが聞こえてくる。

女の子が寝返りを打ち身体に掛かっていたシーツがめくれた。黒いパンツ。ん、黒いパンツ?ぼんやりとしか見えないけど多分そうだよなあ、とりあえずあざっす。そういえばこんなシーンどっかで見たなあ。そうだ、ロスト・イン・トランスレーション。そしてまたゆっくりと眠りに落ちる。

 

Air – Alone In Kyoto


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