DAY 166 The lighter is useless.

煙草に火をつけようと何度もライターのボタンを押し込むが火花が点滅するだけで赤い炎が現れる気配は一切無い。「標高高すぎて電子ライターはもう無理だよ」と一緒に来た旅行者が教えてくれた。

 

30分くらい遅れるんじゃないかと思っていたのに時間ぴったりにパジェロは宿に迎えに来た。なんだ、やればできるじゃんというのはちょっと失礼か。でもやるじゃん。オシュから離れていくにつれて風景のスケールがでかくなり、反比例するように道路の舗装状態は悪くなっていく。キルギスとタジキスタンの間の長い国境では四駆の車の本当の使い方を体感したと言えるくらい身体は大きく揺れ続けた。

昼食休憩でカラクルという湖の近くの町に寄る。羊肉を使ったジャーマンポテトみたいな料理(わりと美味かった)を食べた後に少し湖まで歩く。腕時計が示す標高はすでに富士山の頂上を超えていて少し小走りになるだけですぐに息が切れた。

 

日が暮れる前にムルガーブの町に到着することが出来た。ホテルに荷物を置いて散策に出かけるが噂通り何も無いところで、でも失望するわけでもなく嫌いでもなかった。多分自分はこういううんざりするくらい空が広い以外は何も無い町に来てみたかったし、だから今タジキスタンにいるのだと思う。

雨が本格的に降ってきた。ほとんどの店が閉まっている中でやっと見つけたカフェに入りラグマンとチャイで胃袋を満たしホテルに戻る。ネットも繋がらず暗くなったら何もすることがなり、シャワーを浴びてすぐにベッドに入った。よく眠れそうな気がした。

 

Baths – Miasma Sky


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