オシュ・バザール行きの始発のマルシュルートカと呼ばれる乗り合いバスに乗り込んで出発を待った。携帯電話で話していた隣の若い男が通話を中断してこちらに向かってロシア語で話しかけてくる。わからないよとジェスチャーで伝えると男は苦笑しながら違う人にまた話しかけ始めた。
今まで旅行してきた国では見た目から異質な存在だった自分がこの国ではそうではないらしい。キルギスという国について何も知らないまま来てしまったせいでこわばっていた肩の力が少し抜けたが、そこら中に溢れているキリル文字が難解すぎてこれからの日々が少し思いやられた。
ゲストハウスにチェックインしてから週末に開催されているという蚤の市へ。ぶらぶら歩いていて一番目を奪われたのがソ連時代のピンパッジで、ここに連れてきてくれた同じ宿の博識な男性からキリル文字の意味や何を記念して作られたとかを教えてもらえるので余計に面白い。
そういえば昔、今はもう閉館してしまった天保山のサントリーミュージアムで見たロシア・アヴァンギャルド展がかなりツボだったのを思い出す。興奮して展示を見終わった後に買ったカジミール・マレーヴィチの「スーパーナチュラリズム」の小さいポスターは今でも宝物だ。
ブダペストでジャケットを買ったときに「フランスあたりでサモトラケのニケのレプリカを買うまではもう何も買わん!」と固く決意していたのにあっさりと、結構早めに撤回してしまった。これは誰かに土産としてあげずに手元に残しちゃうんだろうなあ。まあピンパッジだし、安かったし、小さいしね。
Justus Kohncke – Schwabylon
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