二段ベッドの上段で目が覚めると横の壁に貼られたパルプ・フィクションのポスターの中の不機嫌そうなユマ・サーマンと目が合った。彼女の右手の煙草を見てとりあえず一服したくなり、恐る恐るベッドの梯子を降りる。中庭に出ると強烈な日差しが出迎えてくれた。
旧市街のほうに向けて歩き出すとすぐに自分がどこに向かっているのかわからなくなる。ブラチスラバの街は規則性という言葉とは無縁で、斜めに歩いているなと思ったら急にぐねっと曲がったりしやがる。特に急いでいるわけでもないので至るところに描かれているグラフィティを眺めながらぶらぶら。
ホステルでもらった地図によればそろそろドナウ川にぶち当たるはずだったがそんな気配がない。ちょっとうろちょろしたら堤防を見つけたので上がってみる。そこはでっかい橋が建設中で重機やら資材やらがごろごろしている、美しく青きドナウ感があんまりないドナウ川だった。
ホステルに帰る途中にスロバキアに入ってから連日通っているBILLAというスーパーで食材を調達。キッチンで数日ぶりにスパゲッティを茹でてトマトソースを食べる。荷物を整理してオリーブオイルのボトルを持ち歩くことを本格的に検討しなきゃと思わせる、とてもとても微妙な味がした。
Wagon Christ – Shimmering Haze
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