DAY 134 The Old Man and His Two Horses.

そういえばミックス・ドミトリーに泊まるのは久しぶりだった。ヨーロッパに入ったので予算的に個室なんか夢のまた夢、しばらくはいろんな宿で二段ベッドがきしむ音を聞きながら過ごすことになるのだろう。

 

中央広場を歩いていると人だかりがあったので近づいていくとブレイクダンスのパフォーマンスをする集団がいた。たぶんなかなかハイレベルだったが自分が野次馬になってすぐにお開きになってしまい、再び歩き始めると今度は二頭の馬が佇んでいる一角を発見した。

二頭の馬は旧市街でよく見かける馬車用の大きな馬ではなく、近くの柵にただ繋がれていた。傍らに立っているヒッピーみたいな初老の男で、足元には小銭が入った布製の皿が置いてあったが目の前を通る観光客たちに一切声を掛けていなかった。

遠くのほうからノリがいい音楽が流れ始めた。さっきのブレイクダンスの集団がまたパフォーマンスをするらしく中央広場にいる人々の意識のほとんどは完全にそちらに向けられた。初老の男はつまらなそうにしゃがみ込んで煙草を巻いて吸い始める。

ポケットに入っていた小銭をいくつか取り出して皿に投げ入れた。二頭の馬は繋がれているロープの長さが足りないのか心細いのかお互いに密着するように立っていて、一頭の額のあたりを撫でてやるとさらに寄り添うようにくっついた。

 

ワーカホリックな太陽がやっと沈んで時刻は午前一時、同じ部屋に宿泊している男三人でビールを飲みに旧市街へ繰り出す。日本人、キューバ人、アメリカ人のわけがわからん組み合わせで、他に若いアルゼンチンの男女もいたのだが彼らはクラブで踊りたがっていたので別行動にした。

しきりにストリップを見ないかと誘ってくる客引き達をかわしてビールを一杯だけ飲んでまたホステルに戻る。キューバ人のカルロスはまだ遊び足りない飲み足りないようだったが手持ちの現金がゼロになった自分と明日ワルシャワに発つアメリカ人のトムがさっさと帰りたかったので早々にパブから退散。あー、これ明日も早起き出来ないパターンだわ絶対。

 

Baths – Aminals

 


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