DAY 110 Awkward people

エチオピア人について、こちらに来るまでシャイな人々だと聞いていた。確かにタンザニアで出会った人々の多くは陽気でフレンドリーだったし、ルワンダの人々はシャイというよりも他人との距離感がちゃんとあるという感じだった。ゴンダールに来て三日、エチオピア人の中にはシャイなだけでなく不器用な人々もいるだのと気づく。

エチオピアで生まれたが幼少期にアメリカに渡って30年、数年前にゴンダールに戻ってきた男性がいる。居心地のいいリビングで旦那さんの友人である彼と二人っきりになる時間があったが英語が堪能な彼との間に会話はほとんどない。時折一言二言他愛のないやり取りをする以外は二人ともずっと大音量のエチオピア音楽に耳を傾けているだけだったが、不思議と居心地の悪さを感じることはなかった。

ゴンダールの町を歩いている時に会う人々の中にはしばしば精神的に問題を抱えている人がいる。情緒不安定だったり躁鬱気味だったりする彼らにはそれぞれに事情があり、奥さんに彼らについての話を聞いているとなんだか日本変わらない気がした。どこの国でも要領がいい奴はうまくやっていけるし、不器用な奴は結果的に割を食う。ただそれだけの、どこにでも転がっているような話なのかもしれない。

隣にいるアメリカ育ちの彼も今ではだいぶましになったがゴンダールに帰ってきてしばらくは馴染めなくて大変だったと聞いた。彼の寡黙さは沈黙以外にも様々な意味を含んでいるのだろうが、自分にはうまく読み取ることができない。

 

bloodthirsty butchers – rat music for rat people


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