DAY 106 The sun was bright, too bright.

目の前の箱から点棒は一本残らず無くなった。ああ、飛んでしまった。夜よりも朝のほうが近くなってきた時間、眠気のピークはすでに去っていたが思考する能力はずっと覚束ない。

外に出て煙草を一本吸った。とても不味い。夜を越えるときはいつもそうだ、煙草を吸っても不味いとわかっていても吸わずにはいられない。ニコチンもタールもただの気休めにしか、いや気休めにもならないが気がつくと煙草を煙草を咥えている。

卓に戻る前に日本から持ってきてまだ残っていたクロレッツを一粒口に放り込んだ。強めのミントで脳みそのケツのあたりを引っ叩く。洗牌していると負けが込んでいるに楽しくなってきた。品がないとわかったうえであえて口を開けたままガムを噛む。気分はイギー、クッチャクッチャ。

イギーになりきったおかげかはわからないが次の半荘はダントツの一着だった。時折奇声を発したりしちゃったのは申し訳なかったが卓を囲む皆さんはいい人ばかりだったのできっと許してくれていたと信じたい。しっかし倍満って上がるとすんげえ気持ちいいもんですね。

結局朝10時近くまで麻雀は続いた。一人勝ちしたあとにまた大負けしてしまったが太陽が眩しすぎてどうでもよかった。牌を片付けた後にご馳走してもらった朝飯代わりのラーメンのスープはとても美味しくて優しい味がした。

日本からはなかなかに遠いエチオピアにせっかくいるのに麻雀なんぞにうつつを抜かすなんてなんて勿体無いと思う人もいるかもしれない。実際徹夜でじゃらじゃらしちゃったせいで今日は何も出来なかった。

でも振り返ってみると自分の旅行はいつもこんな感じだ。十年ほど前に沖縄の名護のゲストハウスにいた時は扉を開けたら目の前は青い海というシチュエーションだったのにリビングにあった代紋TAKE2を何日も掛けて読み耽っていた。竹富島で毎日ドラマ「スタアの恋」の再放送を他の宿泊客と一緒に毎日楽しみに見ていたこともあった。

非日常の場所にいるのにやってることは日常、なんて贅沢な過ごし方だろうか。そんな風に考えないと時々変な罪悪感に苛まれてしまったりするが、反省したり改善するつもりは微塵もない。

 

Pearl Jam- Smile


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