DAY 080 Take me out to the baseball field!

最近さぼりがちだった太陽が久しぶりに仕事を再開しようとしていた。
年齢もバラバラで男女入り混じった野球チーム。二人の日本人コーチ曰く、彼ら彼女らはまだまだたくさんのことを覚える必要があるらしい。自分は学生時代に部活でやっていたわけではないが野球のルールの複雑さやプレーのバリエーションの多さは知っている。
ゴロとフライで走塁は違ってくるし状況によってアウトにするのにタッチが必要な時もあるし、挙句の果てに隠し球なんてものも存在する。オフサイドのルールさえ理解してしまえば大体オッケーなサッカーとはえらい違いだ。ルールは難しいわ用具も揃えにゃならんわ、野球は一から始めるのがまあまあ面倒くさいスポーツだと思う。
日本の部活みたいに揃いの練習用ユニフォームはなく、むしろサッカーのザンジバル代表やイングランド・プレミアのレプリカ(正確にはコピー)Tシャツを着ている奴のほうが断然多い。裸足で練習している奴だっているし、グラブ捌きは覚束ないしバットをまっすぐ振るのも一苦労。しかし野球の練習を見学していてこんなにも楽しくリラックスした気分になったのはたぶん初めてだ。
あ、やっと向こうのグラウンドが空いたのでウォーミングアップと基礎練習は終わりだ。何故かレフトとショートの間を野良牛が守ろうとしていたがすぐに追い出された。コーチお手製のティーバッティング装置「ひとりで打てるもん2号」がお披露目されて使い心地はよさそうだ。
打球音が響くたびに空から雲が消えていく。太陽が眩しくて目を細めたのはいつ以来だろうか。よく晴れた日と野球は当たり前だがとてもよく似合っていた。
Tango in the Attic – Jackanory