DAY 043 The beach isn’t suitable for a man alone.

昼下がりの砂浜に一歩踏み出した。足元から伝わる熱はぬるいくらいだ。日差しも突き刺すようにというよりは火を消した後に予熱で温められている鍋みたいにじんわりとしていた。

ゴアのビーチ、字面だけ見たらヴァルハラみたいなイメージだけどシーズンが終わった今は盆過ぎの海水浴場と変わらなかった。外国人よりもインド人のほうが圧倒的に多く、ビキニのねーちゃんなんて数えるくらいしかいない。しかもマダム率が高く、まだその域まで開眼していないのが悔やまれた。

水着を着ているわけでもないので波打ち際をひたすら南に歩いていく。カップルや家族連れ、グループたちがはしゃいでいるのを横目で見ていると自分がひどく場違いな気がした。まあわかっていたことなんだけど、わりと虚しさ多めな気分に浸る。

ちょっとした岩場を越えると犬の集団に出くわした。これはプリーで襲撃された時の再現かと少しびびるが犬たちはただ波打ち際で遊んでいただけでこちらに見向きもしなかった。犬までわいわいやっているのを見ていると虚しさを通り越して惨めな気分になっちゃいそうだ。

ビーチから退散して宿に戻り、併設されている旅行代理店でハンピ行きのバスチケットを調べているとプリーで出会った日本人の男性がやって来た。ゴアで会うかもねと話していたが宿の話はしていなかったのでまさかの偶然。

夜になって彼と飯を食べたあとにビーチのクラブでやっているパーティーを覗きに行った。ビーチとは反対側のエントランスで一人500ルピーと言われ、ビーチのほうからなら無料で入れるんじゃねとぐるっと回って建物の中を見たら客は一人もいなかった。時刻は午後9時、そんなに早過ぎるわけじゃないのに。

結局二人で宿に戻って外の椅子に座ってだらだらと話し、もう一度クラブに行ってみるという彼を見送って自分はベッドに横になった。1週間くらいゴアに滞在するつもりだったけどちょっと長い。美しいゴカルナビーチに行く手もあるけどビーチはお腹いっぱいな気分だし。さて、どうしたもんかな。

 

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