関西空港のマクドナルドでカタカタとキーボードを叩いている。そういえば夏にも上海行きの飛行機の出発を待つ間、時間をつぶすためにここに来た。iPhoneを充電しつつ飲みたくもないスプライトを啜っていた覚えがある。

これから1年ぐらい旅行するにあたって必要なものは大体バックパックに詰め込むことが出来たはず。自分では極力減らしたつもりだけれど旅慣れてる人から見たらまだまだ要らないものだらけなのだろう。でもしょうがないじゃない、少しでも快適に暮らしていきたいのです。寒い国にもちょっとぐらい行ってみたいし。

 

さて、30歳を過ぎた青年と中年のあいだに属する男がいろんな国をぷらぷらと回っていく上でどんな風に旅行するべきだろう?

 

20代で大学を休学したり、数年務めた会社を辞めた人たちのように一念発起して行くような勢いとか馬力なんて無い。ひとつなぎの大秘宝と読ませる某海賊漫画のようなワクワクドキドキは最初から期待してないし、もしもそんなドラマチックな場面に遭遇しても謹んで遠慮したい。かといってスーツケースをちょっとだけ引っ張りつつタクシーを駆使して移動し、夜はホテルの最上階のバーでマティーニのグラスを傾ける財力も遺憾ながら無いのだ。

 

なつかしいスーファミのドラクエ5のさくせんで考えると、

・ガンガンいこうぜ
情熱的な意味でも財力的な意味でも不可。今話題のシリア付近に近づいてみるなんてとんでもない。ケンプ・ミュールがジョン・レノンの息子をぽいっと捨てて「ダマスカスに来たらもうたまらんことになるよ」なんて耳元で囁いてきたらちょっと考えるけど、たぶん行かない。たぶん。

・みんな がんばれ
ぼっち旅である。

・じゅもんせつやく
そもそもMPが無い。愛の呪文とか唱えるにしてもおそらく経験値とか致命的に足りてない。

・じゅもんつかうな
使いたくても使えない。30歳魔法使い説も幸か不幸か当てはまらないし。でもセカンド童貞的な意味ではもしかしたらワンチャンあるか…?

・いのち だいじに
これが一番しっくりくる。見どころいっぱいな危ない首都より何も見るところがない平和な田舎を選んでいきたい。今おじいちゃんみたいな腰になってることだし。あいどんわなだい。

 


KIRINJI – Keep Tryin’ (『宇多田ヒカルのうた』より)


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